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建築設計学会の機関紙に掲載されました

日本建築設計学会

IEDIAのCXO(チーフ・エクスペリエンス・オフィサー)の建築家・黒川彰が日本建築設計学会(ADAN)の機関紙に寄稿しました。

「2020年代の建築をとらえる言葉」という企画で、数十年後、数百年後の人たちが振り返ることのできる言説を、時代の境目にある今を生きる世代の言葉として記録に残すための問いかけでした。

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黒川の以下の言葉が掲載されました。IEDIAのベースとなる価値観です。住まい手・設計者・施工者・分譲者・仲介事業者・行政・地域社会など広いステークホルダーたちがより好ましい関係を築くために、IEDIAの事業が貢献していけたらと思います。

フェア|fair

情報や価値判断の非対称性が失われ透明化が加速を続ける時代。建築においても「フェアかどうか」に意識的になる日々がもうしばらく続き、やがて「フェア」は当然の価値観になる。フェアは二つの側面から建築をより好ましい方向に変えていく。まず、環境への想像力が増す。フェア・トレードやエシカル消費という概念が日用品において定着したように、建物の履歴を辿り職人や森林・河川、ひいては地球全体を意識した広域的で長期的にフェアな建築が問われるようになる。次に、当事者の関係性が融和する。発注者・利用者・施工者・設計者、地域住民や将来世代までもがフェアに創造を共にするが、それが建築の安易な民主化になるかどうかは、我々設計者がより強い未来の妄想を提示できるかにかかっている。

黒川 彰

日本建築設計学会は、建築設計領域やその教育に関する交流と研鑽の為に2009年より活動してきた団体で、2014年に法人化されました。イベント企画や書籍出版を通じて、様々な世代に深い影響を与える組織です。

日本建築設計学会設立宣言

私たちは、建築を、ただ建築物を建てる技法や技術としてではなく、知的かつ文化的営みととらえたい。すなわち、建築物という物体に内在する美的な構成を把握し、人類の創造的行為の源泉としてその可能性を問うてゆきたい。

そのためには、建築設計という行為を、言語や数式や描画などの総合された創造的思考の方法として、体系化、理論化してゆくことが必要となる。そして建築設計という行為の結実としての設計図書、スケッチ、ドローイング、模型、言葉、実現した建築物、そしてそれらに対する批評などを、文化的価値の視点から適切に評価し批判してゆくことが必要となる。 建築という行為を人類の文化的営みとして、また創造的思考の源泉としてとらえるすべての知的表現者に、この日本建築設計学会は開かれている。それは物質的な建築にとどまらない。建築という思考、人類の文化に脈脈と流れる空間的想像力の系譜、その駆動力としての空間的思考、さらには驚きと喜びとときに畏怖にも満ちた空間的体験。そうした意識と身体への働きかけへの私たちの応答のすべてを、知的に把握し、建築という行為に即し創造的思考に即して考察してゆく知的表現者に。

建築設計という創造的な観点から空間的思考の在りようを眺めるなら、人類の文化史における重要な側面が見えてくることだろう。すなわち超越的視点と内在的視点の交錯する場における思考の姿だ。人間がすべてを眺めおろし、と同時にそこに包み込まれて在る。その場所の外に立ちながら内にいる。建築設計はつねにとの視点の往還のさなかを進んでゆく。こうした抽象化と具体化、分析と総合の知が、人類の創造的思考を磨きあげてきたのだ。建築設計はそのひとつの、しかも壮大な実践的知の事例である。

会長・竹山聖

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